「カニューラ」は、
慢性呼吸器疾患患者さんの
呼吸を助ける大事な器具です。
「カニューラ」は、
慢性呼吸器疾患患者さんの呼吸を助ける大事な器具です。
肺の病気と聞くと、病院のベッドの上で人工呼吸器をつけた患者さんの姿をイメージされる人も多いと思います。しかし、近年では、在宅酸素療法(HOT)によって、慢性的な肺の病気があっても、自宅で過ごしたり、外に出かけたり、仕事に行ったりすることも可能になりました。
鼻にチューブをつけ、キャリーカートを引いている人を街で見かけたことはないですか? 鼻に装着しているのは酸素を吸入するためのチューブ「カニューラ」で、キャリーカートの中には携帯用酸素ボンベが入っています。1980年代に導入され、現在、日本では約18万人の慢性呼吸器疾患患者さんがHOTを利用し、療養を続けながら一生懸命に過ごしています。
啓発動画「星になったおじいちゃん」
慢性肺疾患のため在宅酸素療法を始めた男性が、カニューラをつけた姿を周囲の人たちから奇異な目で見られてしまい、患者本人だけでなく、家族らも苦しむ姿を描いた作品です。患者さんやご家族の気持ちを多くの人に知ってほしいという願いからNPO法人日本呼吸器障害者情報センターが制作しました。動画の紹介サイト
在宅酸素療法(HOT)
HOT:Home Oxygen Therapyとは?
酸素は生きるために不可欠なエネルギー源です。その酸素を身体に取り入れる臓器が肺で、肺に入った酸素は血液に取り込まれ、心臓によって全身にエネルギーが行き渡ります。しかし、COPD、間質性肺炎など肺が慢性的にダメージを受ける病気により肺機能が低下してしまうと、全身の酸素が不足し、心臓への負担となり、全身の臓器機能も低下させてしまいます。息切れだけでなく、歩行も困難になってしまうこともあります。
携帯用酸素ボンベで外出も可能に
在宅酸素療法は、在宅や外出時に酸素ボンベから酸素を補う療法です。カニューラを患者さんの鼻に装着し、ボンベから酸素を供給する器機です。酸素ボンベをショッピングカートのようなキャリーカートに入れたり、リュックに入れたりして運ぶことができるので、出かけることも可能になります。詳細は、当センターのHOT紹介ページをご参照ください。
皆さまにお願いしたいこと
皆さまにお願いしたいこと
驚かないでください。
カニューラは、呼吸が困難な人のための医療器具です。「 顔にチューブがついてる!」と、ビックリしないでください。
歩行が困難なことがあります。
酸素ボンベの重量や、呼吸が苦しいことから歩く速度がどうしても遅くなってしまいます。どうかご理解ください。
周囲は火気厳禁です。
酸素を供給しているため、カニューラは引火しやすいです。周囲で喫煙しないようにお願いします。
肺の健康のために
肺の健康のために
息苦しいと感じたら
肺は唯一外界と接する臓器です。日々、タバコの煙だけでなく、ウイルスや細菌などにも晒されて、様々な疾患を起こします。息苦しいと感じたら、歳のせいにせず、まずは医療機関で受診しましょう。
息苦しいと感じたら
スパイロメーター
スパイロメーターで肺機能検査を
肺疾患は、X線レントゲンだけではわかりません。医療機関で受診し、肺機能検査(スパイロメーター)で、肺の状態を確認しましょう。
スパイロメーターで肺機能検査を
呼吸器の疾患とは